読みながら、『芸術』を考える。
(3)「アート・プロジェクト」について考える
<ゲスト>
小泉元宏(東京芸術大学大学院博士課程在籍/日本学術振興会特別研究員)
■この連続企画では、ウェブや雑誌媒体の中の文章、展覧会のカタログ、論考などを読みながら、参加者間で意見を交換し合い、「芸術」「表現」「社会」「政治」…の現在を考えていきます。
■今回のテーマは、《「アート・プロジェクト」を考える》です。
■今年も様々な国際展・芸術祭などのアート・プロジェクトが実施予定あるいは実施中です。海外の国際展では、ヴェネチア・ビエンナーレが来月から始まり、また国内でも7月から大地の芸術祭・越後妻有アートトリエンナーレ、9月から福岡アジア美術トリエンナーレが始まります。その他にも、現在開催中の別府・混浴温泉世界や、中之条ビエンナーレ、神戸ビエンナーレ、北九州国際ビエンナーレ等など、多くのアート・プロジェクトが予定されています。
■しかしながら一方で、それらアート・プロジェクトの多くが現在、経済不況等の影響を受けながら、財政的な困窮状況に陥っています。予定開催年をずらして何とか行われる美術展や、規模を縮小して開催されるアート・プロジェクトも目立っています。
■今回は、アート・プロジェクトの財源と社会経済との関係についても考えながら、下記の日本の地域社会におけるアート・プロジェクトに関するインタビュー、記事を参照しつつ、第1期のまとめとして主に日本の「アート・プロジェクト」について考えていきます。
<参考記事>
久木元拓「アートプロジェクトはアートとまちづくりの救世主となるか?」
http://www.dnp.co.jp/artscape/exhibition/focus/0812_01.html
北川フラム(暮沢剛巳)「コミュニティの核としての国際展」
http://artscape.jp/focus/1195385_1635.html
(両記事共、大日本印刷株式会社「artscape」より)
<第1回、第2回で参照したテクスト>
シャンタル・ムフ『闘技的公共空間に向けて』(Chantal Mouffe., “For an agonistic public sphere”)
http://www.ciudad-derechos.org/english/pdf/kb.pdf
イェローン・ブームハルト『ラディカルな自律性』(Jeroen Boomgaard., “Radical Autonomy”)
http://www.lkpr.nl/index_en.php?page=publicaties&id=10
クレア・ビショップ(ジェニファー・ロシュ)『社会と関わる芸術、批評家と不満』(Jennifer Roche., “Socially Engaged Art, Critics and Discontents: An Interview with Claire Bishop”)
http://www.communityarts.net/readingroom/archivefiles/2006/07/socially_engage.php
日時:2009年6月2日(火)20:00〜22:00
会場:Otto Mainzheim Gallery(アクセス)
定員:30人(予約制) 参加費:1,000円(1ドリンク付)
【 プロフィール 】
小泉元宏|Koizumi Motohiro
長野県出身。現在、東京芸術大学大学院博士課程在籍、日本学術振興会特別研究員。専攻は西洋音楽史、近現代美術史、社会学。東アジア地域のフィールド調査を行いながら「国際美術展」「音楽祭」などを対象として、芸術と社会のあいだの関係性・政治性について研究している。