日本のアートビジネスは成立するのか?
<ゲスト>
高際俊介(慶應義塾大学大学院文学研究科美学美術史学専攻アートマネジメント分野修士課程)
渡辺大介(弁理士/Arts and Lawパートナー)
■『THE ART NEWSPAPER』が報じている通り、世界展覧会観客動員数のトップ10のうち、日本開催が多くを占める。これはここ数年の傾向であり、同紙も冷静なトーンで報じている(PDF)。展覧会の内容、キャパシティ、意図などは各国異なるため単純な比較は、難しい。しかし、少なくとも、日本人はアートに接触することに抵抗がなく、むしろ好き好んで足を運ぶ傾向はある、とは言えそうである。
■日本最大級のアートフェア「アートフェア東京2009」のクロージングレポート(PDF)では、年々増える総来場者数、プレス関係者について報告している。同フェア関係者は、「観る」から「買う」への移行は着実になってきていると自信をみせる。
■日本の状況は、アートにとって決してマイナスではない。にもかかわらず、日本におけるアートマーケットは伸び悩んでいる。なぜ、日本におけるアートマーケットは伸び悩むのか。なぜ、日本のアートビジネスに成功例が少ないのか。
■仮に、マーケティング/マネジメントがうまくなされなかったため、とした場合、それではどのように考え、手順を踏めば日本のアートマーケットは活性化し、アートビジネスを盛り上げることができるのか、考えたい。
■アートを趣味としての消費とした場合、類似する分野について比較、とくに地位を築くことに成功した分野について、検証したい。また、他国の事例についても、可能であれば触れたい。
■リーマンショック以降の不透明なマーケット下にあって、状況としては厳しいものの、他国に比べると日本はまだ傷が浅い。この環境下で、アートマーケットを上昇させるためにはどうすればよいか、参加者の方々と意見交換できれば、と考えている。
日時:2009年5月30日(土)19:00〜21:00
会場:Otto Mainzheim Gallery(アクセス)
定員:30人(予約制) 参加費:1,000円(1ドリンク付)
【 プロフィール 】
高際俊介|Shyunsuke Takagiwa
慶應義塾大学文学部卒。新聞社で広告営業に従事し、現在はIRに関する研究機関に出向中。2008年、慶應義塾大学大学院文学研究科美学美術史学専攻アートマネジメント分野修士課程に入学、在学中。関心分野は、日本のアートマーケット、日本におけるアートフェアの役割について。
渡辺大介|Daisuke Watanabe
京都大学教育学部卒。弁理士。NPO Arts and Lawパートナー。学生時代より現代美術、映像、舞踏などの文化行政関連のプロジェクトを実施しつつ卒業後は技術・デザインへの関心から知的財産権を専門とすべく大手特許事務所にて勤務。その後、新規事業・MOTを専門とするコンサルティングファームに参画。また、芸術家および芸術家団体に対して非営利で法律サポートを行うNPO組織Arts and Lawに2006年より参加し、現在団体のパートナーとして、組織の方針策定やマネジメントに関与。