/ Events /

【 24/02/10 】Reading Group "ART SINCE 1900": 1927b|ブランクーシ
【 24/01/27 】ヒト・シュタイエル「デューティーフリー・アート」
【 24/01/13 】Reading Group "ART SINCE 1900": 1927c|初期米国モダニズム
【 24/12/23 】Reading Group: グラント・ケスター「露わにされた技法 : 今日の美術批評のいくつかの限界について」
【 24/12/09 】Reading Group "ART SINCE 1900": 1928a|国際構成主義
【 24/11/25 】Reading Group: ダニエル・ルービンシュタイン「写真による経験の殺戮」
【 24/11/11 】Reading Group "ART SINCE 1900": 1928b|モダニズムのタイポグラフィ

わたし|あなたに、あったこと|なかったこと

//////////
わたし|あなたに、あったこと|なかったこと
//////////

ゲスト:飯山由貴(アーティスト)、BARBARA DARLINg(アーティスト)

アートで過去にあった何かを扱うことについて考えます。何が求められていて、何が拒まれるのかについて、ゲストのこの春夏を振り返りながら、会場の集まった方々と話し合いたいと思います。

【 飯山由貴 】
今年の夏は、戦後の博多港から帰国した方についての取材で富山-大阪-博多-釜山-全州と、ある人の足跡を辿る旅行をしました。その対になる出来事の取材の交渉が難しかったり、活動をしている人が困っていることなどを耳に挟みました。そして、また別のある人へのインタビューを再展示しましたが、やり終えてみると、やっぱりもう一段階必要だなあとも思いました。そんな事柄のなかで考えたことや、また別の場所で抱いた疑問を話せたらと思います。
・歴史家やアーキビスト、学芸員などの資料を扱うプロではないアーティストが、 過去のある事実を扱うことで何が可能なのか(もちろん現在や未来を扱うことができることや、生きている人々と関わること、フィクションを折り込んだり、 いろいろな方法のアーティストがいるが)。
・研究者にとって新奇性や新しい議論がない内容だったり、すでにある歴史観のひとつを作品にすること(オルタナティブでないこと)はよくないことなのか。
・歴史的な事実やある人の体験を作品にすることは、消費しているのか。何かを奪うことなのか。もし何かを奪うのだとしても、それを引き受けつつ、非対称的な関係を対称的にする作為を考えることや、二項対立ではない関係性のなかで作ること、記録すること、同じ時間を共にすることを考えることはできないか。
・当事者の代弁者になるのではなく、当事者に接近しようとする態度をもつこと。
・聞き手と話し手の使用言語が異なること。


【 BARBARA DARLINg 】
東麻布のギャラリーTake Ninagawaで行われたOptional Art Activity: Who is "Mr. SUZUKI”で、僕は戦後すぐからプノンペンにあるスクール・オブ・カンボジアン・アートで教鞭を振るっていたと言われるMr. SUZUKIについて、自分なりのコンテクストを探すために、ほぼ残されていない資料をさぐりだしてリサーチをしていました。このリサーチのなかで、歴史、個人史を扱うことについての疑問や問題を抱えることになりました。
・社会的にも、個人的にも、「歴史」や「記憶」として選ばれなかった出来事や経験を表す言葉はあるか。
・多様な歴史観は何をもたらすのか。
・近代思想におけるコレクションの基準になるもの。コンテンポラリーの価値付け。
・本物、複写、伝聞、再現、編集、嘘における説得力(信憑性と切実さ)。メディアとしての強度。
・過去や他者への敬意。


日時:2016年9月18日(日)17:30~21:00 ※開場は17:00〜
場所:HIGURE 17-15 cas(〒116-0013東京都荒川区西日暮里3-17-15)
参加費:無料(予約不要)

<アクセス>
JR山手線/京成線/日暮里・舎人ライナー「日暮里」駅 北改札西口から徒歩6分
JR山手線/東京メトロ千代田線/日暮里・舎人ライナー「西日暮里」駅 西口から徒歩8分
東京メトロ千代田線「千駄木」駅 2番出口から徒歩8分
<地図>
http://goo.gl/maps/Wyie


飯山由貴|Yuki Iiyama
2011年女子美術大学芸術学部絵画学科洋画専攻卒業、2013年東京芸術大学大学院美術研究科油画修了。近年の主な展覧会は「歴史する!Doing History!」(福岡市美術館,2016)「アーティスト in 六区vol.1 飯山由貴/生きている百物語」(宮浦ギャラリー六区、直島, 2016)、「戦争画STUDIES」(東京都美術館, 2015)、「APMoA Project, ARCH vol.16 飯山由貴 Temporary home, final home」(愛知県美術館, 2015)、「湯気 けむり 恩賜」(JIKKA, 2013)。個人が作ったスクラップブックなどの記録物や、インタビューを手がかりに個人と社会が重層的に結びあわされるインスタレーションを発表してきた。
http://yukiiiyama.flavors.me/
バーバラ・ダーリン|BARBARA DARLINg
1981年新潟県生まれ、東京育ち。「Optional Art Activity「 Who is "Mr. SUZUKI”?」(Take Ninagawa, 東京, 2016)に参加、「作家ドラフト2016」(京都芸術センター, 京都, 2016)出展、「戦争画STUDIES」(東京都美術館, 東京, 2015)や「The shiny future exhibition 2013 The HUMANISATION」(東京都美術館, 東京, 2013)をキュレーション・出展。
http://barbaradarling.com/