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【 26/03/02 】『調査的感性術』読書会 #12<第14章|最小限の因果作用とフィールドの因果生>

TALK: 0606

Researching Photography 3「見ることの倫理」

<ゲスト>
調文明(東京大学大学院博士課程/日本学術振興会特別研究員)

■今からおよそ1年前の2008年5月10日の仏紙『ル・モンド』に、「広島:世界が一度も見たことのなかったもの」というタイトルの記事が掲載された。そこには、テキストと共に2枚の白黒写真が付されていた。1枚は焼け野原を埋め尽くす死体の山の写真で、もう1枚は池と思われる水辺に浮かんだ死体の写真であった。しかし、後日大学研究者らの指摘により、この写真群が広島の原爆写真ではなく、関東大震災の写真である可能性が強まり、『ル・モンド』は急遽、訂正記事を発表することになった。
■この出来事の数ヶ月前、私は父から透明なビニルに入った1通の封筒と2枚の写真を手渡された。封筒の裏面には「うらめしや」という手書きの文字とともに広島の写真館の住所が書かれていた。それから、2枚の写真に視線を移すと、そこに写されていたのは街頭に積まれた黒焦げの死体の山。その瞬間、私は直感的にこの写真は原爆の写真だと思った。
■しかし、しばらく眺めてから、その2枚の写真と封筒をビニルに戻そうとしたとき、ふと封筒の表面に目がいった。そこには大きく書かれた「震災写真」という文字。そう、私は関東大震災の写真を広島の原爆写真と勘違いしていたのである。震災と原爆という時代も場所も原因も全く異なる大惨事を「黒焦げの死体」というイメージだけで代替可能にしてしまうこと。私は2枚の写真から一体何を見ていたのだろうか。
■その一方で、このふたつの「似た」出来事を通して、私は「写真を見る」とは一体何なのかを問うことができるのではないかとも感じた。今回はそうした私自身の経験を足がかりに、写真を見ることの倫理を考えてみたい。当日は実際に当時の写真を手にとって見ることで、みなさんにも写真と見る者との間の関係を考えていただく予定である。


日時:2009年6月6日(土)19:00〜21:00
会場:Otto Mainzheim Gallery(アクセス
定員:30人(予約制) 参加費:1,000円(1ドリンク付)

【 プロフィール 】
調文明|Bunmei Shirabe
東京大学大学院美学芸術学博士課程在籍、日本学術振興会特別研究員。1980年生まれ。TABlogライター(Tokyo Art Beat)。photographers' gallery のサイト内にて執筆活動中。