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【 24/11/11 】Reading Group "ART SINCE 1900": 1928b|モダニズムのタイポグラフィ

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ナショナリズムと芸術生産 シリーズ第4回
表象としての「日本」

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<スピーカー>
片岡真実(キュレーター)
杉田敦(美術批評)
<モデレーター>
崔敬華(キュレーター)

■日本、もしくはアジアでみられる美術表現には、現代美術の言説の基となっている、西洋的な合理性や世界観では捉えきれない、文化的、歴史的要素がベースとなっていることがあります。それはともすれば「日本的」、もしくは「東洋的」というステレオタイプや文化的アイデンティティとして安易に括られがちです。しかし、そのような表現を表層的に消費するのではなく、また、「西と東」という二極論に陥ることなく、新たな知性や言説を創出する可能性として捉えてゆくには、日本の現代美術をどのように表象すべきなのでしょうか。ゲストが2000年代から今日まで、国内外で行ってきた様々なプロジェクトを振り返りつつ、考えてゆきます。

日時:2010年9月30日(木)16:45〜18:45 ※受付開始は16:15
場所:女子美術大学相模原キャンパス12号館 1214教室(アクセス
定員:50人(予約制) 参加費:無料


【 プロフィール 】
片岡真実|Mami Kataoka
森美術館チーフ・キュレーター/ヘイワード・ギャラリー国際アソシエイト・キュレーター。1992年から 1997年までニッセイ基礎研究所都市開発部にて文化・芸術プロジェクト担当研究員。芸術文化政策に関する調査研究、官民のアートプロジェクトを担当。 1998年から2002年まで東京オペラシティアートギャラリー・チーフキュレーター。2003年1月より森美術館にて現職。2007年〜 2009年はヘイワード・ギャラリーの国際キュレーター兼務。
杉田敦|Atsushi Sugita
美術批評/オルタナティブ・スペース、art & river bankディレクタ/女子美術大学教授。著書に『メカノ』(青弓社)、『ノード』(青弓社)、『リヒター、グールド、ベルンハルト』(みすず書房)、『ナ ノ・ソート——現代美学、あるいは現代美術で考察するということ』(彩流社)、『アートで生きる』(美術出版社)など。10月に『アート・プラットフォーム』(美学出版)を出版予定。
崔敬華|Che Kyongfa
キュレーター。Artist Pension Trust Beijing 共同ディレクター。2001年ロンドン大学ゴールドスミスカレッジ美術史論修士課程修了、2006年ルンド大学マルモ・アート・アカデミー、批評学修了。 主な展覧会企画は、「OK Video Festival」(2005/ジャカルタ)、「Mindscapes」(2006/東京)、「Recycled」(2008/オスロ)、「The Demon of Comparisons」(2009/アムステルダム)、「Fog Dossier」(2010/ソウル)。



「ナショナリズムと芸術生産」のトークイベントについて
■ナショナリズムは国家の変遷と共に形を変え、様々な文脈と定義を生みだしてきました。現代社会で見られるナショナリズムの一番大きな問題は、国 家という共同体で結ばれた「我々」と、その外に存在する「彼ら」を区別し、他者に対する理解や想像力を欠くことから、排他的な傾向を帯びるという ことです。私たちは皆、生きて行く上で何かしらの帰属意識を必要とするだけに、ナショナリズムは誰にでも存在しうる、急所のようなものです。この 危うさを知るためには、国家とはどのような共同体であり、一個人としてどのように向き合うべきかを考える必要があります。
■今回の5回にわたるトークシリーズでは、政治ではなく、芸術生産の領域からナショナリズムについて考えてみようという試みです。芸術の生産、そ の活動が、様々な力によって形作られるナショナリズムにどのように対峙し、何を発信できるのか。これらの問題を考えるに当たって重要な、国家、ア イデンティティー、コミュニティー、そして他者性といった問題を、アーティスト、キュレーター、研究者がそれぞれの活動や研究を軸にとりあげ、参 加者と共に考え、議論してゆきます。
崔敬華(キュレーター)